<北大低温研短波海洋レーダシステムの概要>


kaiyou 黒潮をその源とする対馬暖流は,対馬海峡から日本海に入り,本州西岸に沿って北上します.その一部は津軽海峡から津軽暖流として太平洋に流れ,残りは北海道西岸をさらに北上して,宗谷海峡を経て,宗谷暖流としてオホーツク海へ流れ込みます.宗谷暖流は,日本海から高温・高塩分の水をオホーツク海へ供給する役割を担っています.
北海道大学低温科学研究所では,宗谷暖流を常時観測するために,ノシャップ岬,宗谷岬,猿払,雄武,紋別の5カ所に短波海洋レーダを設置しています.短波海洋レーダは,レーダ局から短波帯の電波を発射し,海面で反射(散乱)されて返ってくる信号を受信することで,海面付近の流速・流向を測定する装置です.短波海洋レーダの観測原理については,独立行政法人 情報通信研究機構 沖縄亜熱帯計測技術センターのページをご参照下さい.観測データは電話回線を通して札幌の中央局に集められています. hf-haichi
hf-photo この写真は,紋別のレーダ局です.左手奥の木柱に支えられているのが送受信アンテナ,右手の緑色の箱が送受信機および通信制御用コンピュータを格納しているコンテナです.
この図は,宗谷海峡域で観測された流速分布の一例です.矢印の向きが流向,矢印の長さと色が流速を表しています.宗谷暖流は宗谷海峡から猿払沖にかけて南東方向に流れ,最大 1 m 毎秒(時速 3.6 km)に達しています.このような流速分布を1時間毎に常時観測しています. ob-ex
2003年8月から2022年4月までの観測データをアーカイブしています。 データ提供に関するご相談はmailまでお願いいたします。