上図は、3次元非静水圧モデルを用いて千島列島域の潮流過程をシミュレーションした結果得られた海面水温分布。 千島列島域では潮流起源の内部波とその砕波により強い鉛直混合が生じる。 鉛直混合は海峡部や海堆などで大きく、そこでは海水が鉛直に混合される。 夏季には表層が日射等により温められるが、その下は冬季に冷却されたままなので、 鉛直に混合された海水は海面で低水温で識別できる。 上図では、列島域で低温(青色)となり、周囲との間に水温フロントが形成されている。 フロント沿いでは傾圧不安定等により渦が形成され、渦は切離して鉛直混合された海水をオホーツク海・北太平洋へ輸送する。 これらの過程により広がる鉛直混合された海水は、オホーツク海・北太平洋の水塊構造・循環に影響する。 詳細はNakamura and Awaji (2004), 中村他(2003)を参照。 |
上図は順圧潮汐シミュレーションで得られた流速場を用いて、最初、上左図のように配置した海水粒子を3周期間追跡した結果。 順圧潮流は岸からの渦度供給と水柱の伸縮に伴う相対渦度生成により、1で見た渦より小さいスケールの渦を生成する。 衛星からも似た渦の存在が捉えられている。 これらの渦による海水輸送・混合も千島列島域ひいてはオホーツク海・北太平洋の水塊構造に影響する可能性がある。 詳細は、Nakamura et al. (submitted)を参照。 |